SECHS1長篇小説第9話『プリンセス・ティレイサ 9』。

 「……なるほど」 オリビア達は男達から話を聞き終えた。 「あの屋敷にはとんでもない女がいやがる!魔人の力を持つ女が!」 「そうだ!俺達はそいつに命令されて…」 「逆らえなかったって?」 オリビアがつまらなそうに、そう呟… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第8話『プリンセス・ティレイサ 8』。

 王からティレイサの事を任された、SECHS( ゼックス)はティレイサの支度を待って、城を出発する。向かうのは草原の先の雑木林の方、その少し先のうっそうとした森を抜けた先にある、ディレーの屋敷だ。向かう手段は、車が先導し… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第7話『プリンセス・ティレイサ 7』。

 「来たか、ティレイサ」 「お父様」 王の居る広間へとティレイサは呼ばれた。 王の傍らにはオリビアが。 ティレイサと共に、SECHSメンバーである、紅、レディア、テオル。そしてティレイサの側にレッチェが居た。 「ここに来… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第6話『プリンセス・ティレイサ 6』。

 城の広間にて。 この城の王――ティレイサの父はオリビアと共に居た。 深いゆったりとした椅子。中央の上座に王が。 オリビアは王の右の椅子に。 オリビアは王の話を聞いていた。 王はティレイサの婚姻の話を。 「悩んでいられる… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第5話『プリンセス・ティレイサ 5』。

 「さあ、飲んで」 レディアとテオルはティレイサを連れて、ティレイサの部屋へと戻っていた。 大きいベッドの横に2つの椅子がある。 ティレイサはベッドへと座り、その側にレディア。 テオルはその2つの椅子の1つに腰かけていた… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第4話『プリンセス・ティレイサ 4』。

 草原を抜け、レッチェと紅は背の高い雑木林へと入った。 紅はトンと。レッチェは音もなく、雑木林の木々へと移る。 2人は手で合図し、矢が放たれたと思われる場所へと急いだ。 木々の上を移動するのに慣れていない紅は、少し危なげ… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第3話『プリンセス・ティレイサ 3』。

 ティレイサは城のテラスに出た。空はティレイサの心とは裏腹に、雲一つなく晴れ渡っている。 ティレイサはテラスのヘリに手を置き、呼吸を整えた。 ティレイサが広間から飛び出した後、レッチェはティレイサの傍に居た。 静かに腕を… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第2話『プリンセス・ティレイサ 2』。

 「ん、ううん……」 プリンセス・ティレイサは目を覚ました。 広い室内。クローゼットや、ドレッサー、キャビネットなどは全てオフホワイトでまとめられている。 キャビネットの上には、少しくたびれたうさぎのぬいぐるみが、宝石箱… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第1話『プリンセス・ティレイサ 1』。

草原を走る一匹の猫。 プリンセス・ティレイサの飼い猫のミミは、主の窮地を救うべく、ただひたすらに駆けています。 草原をキラリと走るその白い猫を、レッチェは樹の上から見つけました。 海のように、空のように、ただ光の加減で青… 続きを読む »