SECHS1長篇小説第19話『青い星の子 6 目覚めの朝』。

「夢じゃなかった」 涼は目を覚ますと、隣にいるレッチェを見てそう口に出した。 「涼、起きたの?」 「レッチェ」 「おはよ」 「おはよう」 レッチェはベッドから起きだし、身支度をする。涼もならってレッチェについていく。2階… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第18話『青い星の子 5 レガント星へ』。

 ヒュドラを倒し、学校を後にしたレッチェと紅は涼と共に、涼の家へと来ていた。もう1時を回ったころか。3人は2階の涼の部屋にいた。ベランダの窓は開いていて、涼しい風が入ってくる。最初に口を開いたのはレッチェだった。 「涼ち… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第17話『青い星の子 4 出会い 涼SIDE』。

 5年前の夜。 小学2年生になった涼は、4月に誕生日を迎えていた。2階の自分の部屋で電気を消して、床に座ってベッドにもたれかかっていた。母はいつものように、外出していて、父もこの日帰りが遅いと分かっていた。家で1人きり。… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第16話『青い星の子 3』。

 日が完全に落ち、月明かりが3人とヒュドラを照らす。レッチェはヒュドラへの間合いを図っている。彼の行動認知範囲は広い。幼き頃からの戦闘訓練が彼を彼足らしめている。暗殺技術が彼の唯一無二の力となっていることを、涼は知らない… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第15話『青い星の子 2』。

 時は夕刻。紅とレッチェは、オレンジの空が広がる街へとやって来た。1つのビルの屋上。 「わわ!すごーい!ね、レッチェ。ここは?」 「東京だよ」 「へー!」 紅は柵を越えて街並みを見ようとする。 「危ないよ」 レッチェはそ… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第14話『青い星の子 1』。

 4月。春うららかな季節。桜が舞い新学期を迎える人々は、これからの新しい出来事を想像してわくわくしている。戸惑いもあるだろうが、期待を胸にして、新たに向かっていくのだ。そんな季節。1人の男の子。さらさらの黒髪を綺麗に梳か… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第13話『プリンセス・ティレイサ 13』。

 「ねえ、ディレー。私を見て。私の事を」 「ヴァレッタ…」 「ディレー。私の事をよく見て」 「ヴァレッタ…」 椅子に座ったままのディレーをヴァレッタがしなだれかかっている。傍から見れば愛し合う2人の様だが。 「うえ」 「… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第12話『プリンセス・ティレイサ 12』。

 ディレーの屋敷の客間にて、オリビアは紅とレディア、そしてテオルにティレイサとディレーの事を話した。 「なるほどー」 「じゃあディレーさんは、その時ティレイサに一目惚れしていたという事ね」 「どこかの誰かと同じなわけです… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第11話『プリンセス・ティレイサ 11』。

 少しばかり長い廊下を、執事は主人のもとへと黙々と歩いていく。ティレイサはオリビアの言葉が気がかりだった。ふと隣を歩くレッチェを見る。レッチェは執事を見ている様に見えたが、ティレイサが自分を見ていると気付き、ティレイサの… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第10話『プリンセス・ティレイサ 10』。

 ギルドSECHSの5人とティレイサは、ディレーの屋敷の客間へと通されていた。調度品は美しく、なかなかいい趣味をしている。ティレイサは、3人がけの椅子に腰かけていた。隣にはレディアが。他の3人がけの椅子にオリビアとテオル… 続きを読む »