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SECHS1長篇小説第25話『眠れる騎士 3 その瞳に写るもの』。

ティティの村はSECHS(ゼックス)ハウスのそばにあるサイフォンの街からそう遠くはない。カルテアの星の乗り物、バイクによく似た魔力で浮遊する代物―オリビアはアンダートーチと名付けたーそれに乗れば1時間も掛からないうちに着… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第24話『眠れる騎士 2 パトロール』。

 サイフォンの街の近くをのんびりと移動する紅とレッチェ。紅はふんふんと鼻歌交じりで、嬉しそうに腕を振っている。黒い靴が地面をトントンっと鳴らし、足音からでも機嫌がいいのが分かるようだった。一方のレッチェは足音すら立てずに… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第23話『眠れる騎士 1 忘れえぬ日』。

 赤い炎が辺り一面を、カルテアの星を焼き尽くしている。その炎の合間を縫って、一人の少年が走っていた。轟轟と音を立てて崩れる建物。人の悲鳴はもうしない。少年の脚はその中心地へと向かっている。金の髪が火に照らされ、燃えるよう… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第22話『青い星の子 9 SECHS加入』。

涼はファニーの後を付いていった。 ファニーが案内したのは少しばかり大きめの武器庫だった。 「どうぞ、涼くん」 「わあ」 涼は感嘆の声を上げた。 中には様々な武器が並んでいる。とても涼がいた所ではお目にかかれない代物ばかり… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第21話『青い星の子 8 ギルド入会テスト』。

 「着いたよ」 「ありがとう、トレント」 「ありがとー!」 6人はそれぞれ馬車から降りた。 「うわあ」 涼は感嘆の声を上げた。 リグルデイダの街。 そこはボルドーのレンガで統一された、壮観な街だった。 街の周辺は開かれて… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第20話『青い星の子 7 レガント星力の名称』。

 朝食を終え、各自身支度が住み、SECHS(ゼックス)ハウスの近くのサイフォンの街まで来ていた。 「リグルデイダまでだね」 「ああ、よろしく頼む」 「あいよ」 オリビアは荷馬車を扱うトレントに頼み、6人をリグルデイダの街… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第19話『青い星の子 6 目覚めの朝』。

「夢じゃなかった」 涼は目を覚ますと、隣にいるレッチェを見てそう口に出した。 「涼、起きたの?」 「レッチェ」 「おはよ」 「おはよう」 レッチェはベッドから起きだし、身支度をする。涼もならってレッチェについていく。2階… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第18話『青い星の子 5 レガント星へ』。

 ヒュドラを倒し、学校を後にしたレッチェと紅は涼と共に、涼の家へと来ていた。もう1時を回ったころか。3人は2階の涼の部屋にいた。ベランダの窓は開いていて、涼しい風が入ってくる。最初に口を開いたのはレッチェだった。 「涼ち… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第17話『青い星の子 4 出会い 涼SIDE』。

 5年前の夜。 小学2年生になった涼は、4月に誕生日を迎えていた。2階の自分の部屋で電気を消して、床に座ってベッドにもたれかかっていた。母はいつものように、外出していて、父もこの日帰りが遅いと分かっていた。家で1人きり。… 続きを読む »

SECHS1長篇小説第16話『青い星の子 3』。

 日が完全に落ち、月明かりが3人とヒュドラを照らす。レッチェはヒュドラへの間合いを図っている。彼の行動認知範囲は広い。幼き頃からの戦闘訓練が彼を彼足らしめている。暗殺技術が彼の唯一無二の力となっていることを、涼は知らない… 続きを読む »